今日は登山用ザックの選び方と注意点をご紹介します。
きちんと体に合うものを選ぶことができれば、それだけで荷物を軽く感じることができます。
なぜかというと、背中で荷物がぐらつかなくなり、重心をより体に近い位置に持っていけるからです。
また、肩で背負うと思われがちなザックですが、実は腰の位置のウエストベルトでも重さを分散させることができます。
腰でザックを背負うには、胴体とザックのサイズがあっていることが重要です。
登山において軽さは正義です!
快適な登山をするうえでも重要なザックの選び方をご紹介します。
☑ザックの容量を決める

まずは行いたい山行に合わせてザックの容量を決めましょう。
ザックの容量はリットル(L)で表記されます。おおよその目安は下記のとおりです
- 20~30L 夏季の軽装トレッキング(山頂を目指さないもの)から低山ハイク
- 30~35L 3シーズンの日帰り登山
- 35~45L 山小屋泊の登山
- 50~60L テント泊登山1~2泊
- 60L以上 2泊以上の登山
どのような道具を持っているか人によって差はありますが、初めに購入するザックは上記を目安にしてもらうといいです。
ここで一つ注意していただきたいのですが、ザックの中には背中が当たる背面の部分の通気性をよくするために、背面部が大きくカーブしているものがあります。
確かに通気性はいいのですが、カーブしている分容量は減ります。
しかしながらザックの容量表記はあくまで、たて×高さ×奥行で計算されているので、カーブしている部分は除かれていません。
そのため同じサイズ表記のザックでも、背面がカーブしている分容量が小さくなることを想定しておく必要があります。
30Lのザックを買ったのに実質25L程度の容量しかなく、荷物を減らすことにならないように注意しましょう。
また、近年ウルトラライトな装備で登山をするスタイルが流行っていますが、初めて購入するザックにはオススメしません。
あれはある程度装備について詳しくなり経験を積んで、「この荷物は削れる、軽くできる、これで代用できる」という分別が付けられる人が行う極端なスタイルです。
まだ装備も不十分な段階で、荷物の軽量化を考える必要はありません。
☑背負ってみる

容量が決められたらまずはどれでもいいので実際に背負ってみましょう。
その際には店員さんにお願いして、ザックの中に重りを入れさせてもらいましょう。
登山ショップにもよりますが、たいてい重りを用意してくれています。
実際に負荷をかけた状態でないと、体に合っているかどうかわからないので、遠慮せずにお願いしましょう。
そして以下の点を確認しましょう。
ショルダーベルトから背面にかけて隙間ができていないか
ショルダーベルトから肩にかけて隙間ができていると、背負っている最中にザックが動いてしまいます。
ですので、隙間なく体にフィットしているものを選びましょう。
隙間ができている場合は、調節ベルトで長さを変えてみましょう。
それでも隙間が埋まらない場合は、別のものを試しましょう。
ウエストベルトが腰骨を覆う位置にきているか
ザックは普段使うリュックとは異なり、重い荷物を背負う道具ですので、すべての重さを肩で背負うとすると、すぐに肩が痛くなってしまします。
ですから腰でも担ぐわけですが、その際に重要になってくるのがウエストベルトです。
ウエストベルトが腰骨を覆う位置に来るようなサイズのザックを選びましょう。
☑細かなアクセサリーの使いやすさを確認

ザックを選ぶ際に迷うのがアクセサリー類です。
前述の2点はイメージしやすいのですが、アクセサリーは各社工夫を凝らしているので、なかなかこれがベスト!みたいなものはありません。
店員さんに話を聞いてみて、使いやすそうだと思ったものを選びましょう。
(ちなみに上記の写真のザックは、カメラを持ち運ぶことに特化したザックです。)
ここでは私が重宝しているアクセサリー類をご紹介します。
ザック自体の重さ
アクセサリーとは異なりますが、ザック自体の重さも選ぶ重要な要素になります。
分厚い生地を使ったタフなザックもありますが、軽さは正義なので初めてのザックには適していないでしょう。
目安としては30Lで1300~1500グラム、45Lで1500~1800グラムぐらいが妥当かなと思います。
もちろん背負いやすいものや気に入ったものが多少重い場合は、フィット感を重視しましょう。
大きな雨蓋
雨蓋が大きいと、そこに行動食や地図などの行動中に使いたいものをたくさん入れておくことができます。
休憩中にザックの中身を開けなくても、いろんな物を取り出すことができます。
ウエストベルトのポケット
ザックの中にはウエストベルトにポケットがついているものがあります。
ちょっとした飴や小銭、ヘッドライトや手拭いを忍ばせたりと、使い方は多岐にわたります。
ザックを下ろさなくても使えるポケットは便利です。
レインカバーの有無
ザックによってはレインカバーが最初からついているものと、ついていないものがあります。
ゴアテックスのレインカバーのような性能は期待できませんが、ある程度の雨であれば十分に防ぐことができます。
また、濡れたレインカバーを収納できるポケットもザックの作りに含まれているので、他の荷物を濡らす心配もありません。
ハイドレーションの穴
ハイドレーションというのは水筒にチューブが付いたもので、ザックの中にしまってある水筒から、チューブを通して直接水分を補給できる優れものです。
ザックによってはこのチューブを口元まで通す穴が空いているものと空いていないものがあります。
こまめな水分補給を行いたい人は、穴の有無を確認するといいでしょう。
☑おわりに
いかがでしたでしょうか。
ザックは登山靴と同じように登山が快適なものになるかどうか決める重要な要素です。
また一度買えばそうそうダメになることはないので、慎重に選びましょう。
その一助になれば幸いです。
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