今回は、文庫化された漫画、「四丁目の夕日」山野 一を処方します。
この作品は1986年に刊行されたものを、1999年に再度出版されました。
現在手に入るのは、扶桑社から出版されている、この文庫版のみです。
山野一の幻の衝撃作品として、また、1980年代のサブカルコミックの代表作として、今なお読み継がれているロングセラーです。
裏表紙では、「これを読まずして、80年代のサブカルコミックは語れない」とまで言われています。
とここまで言わせるだけあって、内容はかなり過激なものとなっています。
当時は出版物に対する規制も緩かったのか、グロテスクな表現が多分に含まれています。
もし手に取る場合は、それをご承知の上で購入することをお勧めします。
・不幸な物語を欲する方に
・サブカルが好きな方に
山野一
(山野一 - Wikipediaより)
―『月刊漫画ガロ』1983年12月号掲載の「ハピネスインビニール」でデビュー。貧困や差別、電波、畸形、障害者などを題材にした反社会的な作風を得意とする特殊漫画家で「ガロ系」と呼ばれる日本のオルタナティヴ・コミック作家のなかでも極北に位置する最も過激な作風の鬼畜系漫画家であった。
不幸と狂気のどん底

「四丁目の夕日」が出版された当時のキャッチコピーは「人間、どう不幸になったってここまで不幸になれるものじゃない」というものでした。
まさに不幸のどん底が、この作品では描かれています。
私もある程度想像して読んだのですが、想像の上をいく(下をいく)絶望でした。
どんどんと不幸が降りかかる主人公を見ていて、これまで本を読んで味わったことのない感情が沸き立ちました。
不幸な主人公をみて、なぜか感動を覚えていました。
こういうことはめったにないものです。
これが山野一の作品なのかと、他の作品に関しても興味がわきました。
幸せと不幸せ

読後に感じたことなのですが、「幸せ」と「不幸せ」とはなんなのでしょうか。
あまりにも抽象的な概念なので定義することが難しいし、人によってもその意味は当然変わるでしょう。
では、自分にとっての幸せとは何なのか。
今歩んでいる道の先にそれはあるのか。
今一度考えてみると、幸せとは、
- 日常生活を送れる程度に健康が維持されること
- 金銭的な心配がないこと
- 精神が安定する環境を維持できる状態にあること
- 自分に関する物事の決定権を、自分が所有していること
ということなのかなと。
逆に上記の内容がどれか一つでも脅かされる状態は不幸せになっているのかなと思いました。
皆さんにとって幸せとは何ですか。
それを考えるきっかけに、一度想像を超える絶望を体験してみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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