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【子どもの悩みを解決したい方に】「大勢の中のあなたへ」ひきたよしあき

今回は、ひきたよしあきさんの著書「大勢の中のあなたへ」という本を紹介したいと思います。

ひきたあきよしさんの本職は大手広告代理店、博報堂のスピーチライターです。

いわば、言葉のプロなわけです。

 

そんなひきたあきよしさんは、朝日小学生新聞でコラムを担当されていました。

そのコラムは朝日小学生新聞の読者から寄せられる手紙に、返事を書くように連載されていました。

寄せられる手紙には、子どもならではのリアルな悩みが書かれています。

  • 国語が苦手
  • 友達とケンカした
  • 部活の人間関係が難しい
  • お母さんが言うことを聞いてくれない

様々な悩みに対してコラムを通して書いた返事を集めたものが、「大勢の中のあなたへ」という一冊の本になりました。

この本を読んでいただきたい方

・子どもの悩みを解決したい方
・近くに悩みを抱える子どもがいらっしゃる方
・子どもへのプレゼントに悩む方

子どもの悩みは本質的

子どもの悩みだからといって、簡単に解決できるものではありません。

なぜなら、子どもの悩みは本質的だからです。

 

例えば、上述した4つの悩みの中で

  • 国語をプレゼンテーションに
  • 友達を同僚に
  • 部活を職場に
  • お母さんを上司に

言い換えれば、まさに我々大人でも悩むことですよね。

 

それがより単純な子ども同士の関係性の中でも起こっているということは、これらの悩みが本質的であることを示しています。

 

本書ではそのような子どもの悩みに対して、ひきたあきよしさんが返事を書いた「文通」の中身を知ることができます。

言葉のプロがどのような返事を子どもにするのか。

 

一例を抜粋して紹介したいと思います。

「うそをついているあなたへ」


心配しないでください。私だってうそをつくことがあります。
失敗の言いわけやカッコつけたいとき、うそをついてしまいます。
そしていつも手痛いしっぺ返しをくらっています。
(中略)
研究によれば、うそをつくとき、(中略)誰にも当てはまる「うそつきの法則」があるようです。
(中略)
あなたが今ついているうそも、もうとっくに親や友だちはみぬいているはずです。
そのうそにうそを重ねたところで、またばれるだけ。
やればやるほど心が弱くなり、オドオドし、人相がが悪くなってしまいます。
「うそは、すでにばれている」。そう思ってまちがいないでしょう。
はやめに手当てをすれば、傷は浅くてすみます。
さぁ、ここが勇気の出しどころだ。謝ってスッキリしちゃおうぜ!

(「大勢の中のあなたへ」(ひきたあきよし)(朝日学生新聞社)より抜粋)

 

文体が小学生に向けて書かれているため、大人である自分とは関係ないように錯覚しますが、大人にも刺さる「お返事」です。

驕らず、見栄をはらず自然にふるまえる人でありたいものです。

子どもの前向きな悩み

本書の面白いところが、ネガティブな悩みだけではなく、子どものポジティブな悩みについてもこたえているところです。

  • 正義について考えているあなたへ
  • 贈り物をするあなたへ
  • 異性が気になるあなたへ
  • 夏休みをむかえたあなたへ
  • ノーベル賞をとりたいあなたへ
  • もっと集中したいあなたへ

 

大村はまさんの著書「教えるということ」のなかで、「子どもは成長することに生き急いでいる」といった趣旨の言葉があったことを思い出しました。

まさに子どもは好奇心の赴くままに、無意識に、成長しようと必死です。

そこで生まれるポジティブな悩みに対しても、寄り添える大人でありたいですね。

読後に感じた事

子どもの悩みにこたえる本書は、いわば道徳の教科書のようなものだと感じました。

物語の中の話ではなく、悩みのひとつひとつが、実際の子どもから寄せられた悩みなのですから。

 

そして子どもと同じ目線に立って、答えを教えるのではなく、諭すような筆者の語り口に愛情を感じました。

 

また、改めて手紙を書くことは、愛に溢れた行為であることを認識しました。

現代は、インターネットの発達で簡単にコミュニケーションが取れるようになりました。

文通なんてしている人は間違いなく少数派でしょう。

 

しかし、手間や時間がかかる手紙だからこそ、比例して相手を想い、考える時間も増えます。

文通をするだけで、相手を思いやることができる人になれるような気がしてなりません。

そして人を思いやる人は、人から思いやってもらえます。

 

すこし話がそれましたが、子どもの悩みについて考えるきっかけに本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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