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【簡単】現役バイオベンチャー研究員が論文の検索方法をわかりやすく解説!

こんにちは、やまかわです!

この記事では、「論文の検索なんてしたことがない!」という人にむけて、学術論文の検索方法を解説します。

 

私は農学専攻の大学院を修了し、現在はバイオベンチャーで研究員として働いています。

大学院時代も、現在の会社でも、論文の検索は日常的に行っています。

研究員にとっての「論文の検索」は、いわば、サラリーマンにとっての「新聞を読むこと」にあたるでしょう。

 

となると「研究員じゃないから論文の検索方法なんて知っても意味がない」という方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、私はそうは思わないのです。

 

現代は多くの情報がネット上に溢れていて、「正しい情報を手に入れる能力」の価値はどんどんと高まっています。

例えば、コロナウイルス。

コロナウイルスが人間に感染し、感染爆発が起きて現在に至るまでどれほどのデマが流れたでしょうか。

日々論文の検索を行う必要は確かにないかもしれませんが、知りたいことが出てきた時に、知りたいことを精度よく調べる方法は知っておいた方が良いと思いませんか。

精度の高い情報源として、論文は優れています。

 

論文の検索をしたことがない人、または研究室に配属されたばかりの大学生にわかりやすく解説したいと思います。

 

この記事が解決すること

・論文検索のプラットフォームについて
・日本語、英語での論文の検索方法
論文を参考文献とする場合の表記の仕方

論文の検索プラットフォーム

論文を検索できるプラットファームはいくつかあるので、まずは代表的なものをいくつかご紹介したいと思います。

CiNii(サイニィ)

・・・国立情報学研究所が運営するデータベース群。
日本国内の雑誌、大学紀要の記事情報、日本国内の大学図書館等の蔵書の書誌情報・所蔵情報、日本国内の博士論文を調べることができます。

J-STAGE(ジェイステージ)

・・・文部科学省所管の国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が運営する電子ジャーナルの無料公開システム。
インターネット上で学術雑誌を公開するシステムとノウハウを無料で提供。情報の迅速な流通と国際情報発信力の強化、オープンアクセスの推進を目的としている。

Google Scholar(グーグル スカラー)

・・・Googleが提供する検索サービスの一つ。主に学術用途での検索を対象としており、論文、学術誌、出版物の全文やメタデータにアクセスできる。

PubMed(パブメド)

・・・生命科学や生物医学に関する参考文献や要約を掲載する無料検索エンジンです。
アメリカ国立衛生研究所のアメリカ国立医学図書館が情報検索システムの一部としてデータベースを運用しています。

どれを使えばいいのか

それぞれのプラットファームの特徴をもとに、私の独断と偏見で言うと、以下のようになります。

  • 日本語で調べたいことが明確な場合=CiNii(サイニィ)、J-STAGE(ジェイステージ)
  • 日本語もしくは英語で調べたいことが漠然としていて、とにかくたくさん情報を集めたい=Google Scholar
  • 英語で調べたいことが明確な場合=PubMed(パブメド)

CiNiiとJ-STAGEは日本語の論文はたくさんありますが、英語の論文は数が少ないです。

Google Scholarは日本語、英語ともに膨大な数の論文を調べることができます。

一方で数の多さゆえに、雑多な論文がヒットする確率も上がるため、精度にやや難ありといったところでしょうか。

PubMedは調べたいことが載っている論文をピンポイントで見つけられる精度はすごいのですが、英語でしか調べることができません。

 

どれがいいか迷うのであれば、 とりあえずGoogle Scholar を使っておけば問題ないでしょう。

実際に論文を検索してみよう!

ここからはそれぞれのプラットファームにおける論文の検索方法の仕方を紹介していきます。

なお、それぞれのプラットフォームにおける検索方法は似ているので、ここではCiNii(サイニィ)とGoogle Scholar(グーグル スカラー)を例に解説します。

CiNii(サイニィ)における論文の検索方法

サイトにアクセスすると、検索エンジンが出てきます。

そこに調べたい言葉を打ち込んで、「検索」を押してみましょう。

(出典:CiNii Articles - 日本の論文をさがす - 国立情報学研究所

「すべて」と「本文あり」を選択できますが、ひとまず「すべて」を選択したままでOKです。

私は今回、「虫歯 予防」で調べてみました。

するとこのような画面になります。

(出典:CiNii Articles 検索 -  虫歯 予防(2021年11月30日 時点での検索結果 ))

「虫歯 予防」での検索結果は82件。

上位検索結果のタイトルを見てみると

  • 虫歯・歯周病予防で歯を20本残す! : 歯の健康悪化は、脳卒中 心臓病 糖尿病へ 歯のない人は、認知症リスク1.85倍
  • 3歳児におけるう蝕の発現と育児環境の関係
  • 1年間の中等度運動トレーニングの実践が口腔内粘膜免疫 および虫歯菌活性に及ぼす影響

などと、どれも興味深いですね。

 

これがなんと無料で読めるんですよ!

ありがたいですね~

 

早速興味深い「3歳児におけるう蝕の発現と育児環境の関係」をクリックします。

(出典:CiNii 論文 -  3歳児におけるう蝕の発現と育児環境の関係

するとこのようなページが出てきます。

さらに「この論文にアクセスする」というタブが出てくるので、クリックすると論文があるサイトに飛びます。

するとあらびっくり!

(出典:Relationship between Dental Caries Occurrence and Childcare Environment in 3-year-old Children (jst.go.jp)

いきなり英語表記になりました。

しかしあわてないでください。

日本語で検索してヒットした論文には必ず日本語部分があります。

落ち着いて右側の「Download PDF」をクリックしましょう。

ダウンロードされたPDFファイルには依然として英語が書かれていますが、下にスクロールすると…

(出典:en (jst.go.jp)

日本語での概要が出てきました。

これで知りたいことが知れたなら論文の検索は終了ですし、知りたいことが違ったなら別の論文を読んでみるか、あるいは別のキーワードで検索してみるといいでしょう。

Google Scholar(グーグル スカラー)における論文の検索方法

まずはGoogle Scholar(グーグル スカラー)にアクセスしましょう。

(出典:Google Scholar

どんな検索エンジンでもいいので、Google Scholarを検索してGoogle Scholarの検索エンジンまで行きましょう。

すると上記の画像のようなページにたどり着きます。

そして調べたいキーワードを入れて検索するだけです。

通常のGoogleで検索するときと同じ手順です。

ここではCiNiiのときと同様に「虫歯 予防」で調べてみます。

(出典:虫歯 予防 - Google Scholar(2021年11月30日時点での検索結果))

すると1990件ヒットしました。

ヒットした論文の数はCiNiiよりもはるかに多いです。

 

Google Scholarはあらゆるデータベースへのリンクがあるので、このように数多くの論文がヒットします。

そしてタイトルの右側にあるPDFファイルを押せば、論文を直接ダウンロードすることができます。

別のページに飛ぶことなくダウンロードできるので、便利ですね。

 

ただ、PDFファイルがないものは、タイトルをクリックしてリンク先にとんでからダウンロードする必要があります。

加えて、リンク先に飛んでも論文をダウンロードできない場合もあります。

CiNiiと違って本文の有無でフィルターをかけられないので、そこは注意する必要があります。

論文の引用方法について

もし、探していた論文を見つけることができて、どこかに参考文献として紹介したい場合に注意することがあります。

それが、著作権です。

論文の情報は正しく引用しないと複製したとみなされ、他人の著作権を侵害することになります。

そうならないよう以下に主な出典元別に、引用項目の具体例を書いていますので参考にしてみてください。

①図書

(記載事項)著者名.書名.版表示,出版者,出版年,総ページ数,(シリーズ名,シリーズ数).

図書一冊を出典として記載する例)
夏目漱石.吾輩は猫である.角川書店,1998,578p.

特定のページを出典として記載する例)
夏目漱石.吾輩は猫である.角川書店,1998,p.123

②論文

(記載事項) 著者名.記事タイトル.雑誌名.出版年,巻数(号数),はじめのページ - 終わりのページ.

例1)
柳迫 周平.フランス実親子法における「意思的要素」とされるものに
関する構造的分析(1).民商法雑誌.2020,156(3) ,p. 518-550.

例2)
秦辰也.東南アジアの社会変化と社会保障制度の拡充-高齢化、貧困の縮
小と不平等化に伴うタイの外国人労働者の現状を中心に-.Journal of
International Studies.2019,4,p.13-44.http://id.nii.ac.jp/1391/
00020516/,(参照 2020-10-01).

③Webサイト、Webページの引用

(記載事項) 著者名.“Webページのタイトル”.Webサイトの名称.更新日付.入手先(URL),(参照年月日).

例)
久保田博之.“家計調査にみるコロナ禍の個人消費への影響”.Yahoo!
ニュース.2020-09,https://news.yahoo.co.jp/byline/
kubotahiroyuki/20200913-00198069/,(参照 2020-10-01).

おわりに

いかがでしたでしょうか。

普段ネットで調べるときと比べて、論文の検索は大きく変わらないことを知っていただけたでしょうか。

論文の検索方法を知っていれば、日本中、世界中の人が一生懸命調べた研究の成果を手軽に読むことができるのです。

今気になっている事、知りたいことがあれば論文の検索をしてみてはいかがでしょうか。

この記事を機に、論文という存在が身近なものになったら幸いです。

長文にもかかわらず最後まで読んでいただきありがとうございました!

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