今日は吉本ばななさんの著書「吉本ばななが友達の悩みについてこたえる」を紹介します。
最初このタイトルを読んだときに、吉本ばななさんの個人的な友達の悩みに対して答えているのかと思ってしまいました…
が、そうではなくて、あらゆる年代の人(10代~60代)から募集した、友達に関する悩みについて吉本ばななさんが答えるという趣旨でした。
友達に関する問題はいくつになっても私達に付きまといます。
そんな人類共通の悩みに関して、吉本ばななさんが具体的な処方箋を授ける、まさに「処"本"箋」な内容となっています。
・友達に関する悩みを抱えている方
・少し厳しい意見を聞きたい方
・吉本ばななさんのファンの方
吉本ばななさんの経歴

まずは吉本ばななさんの経歴について、簡単に触れたいと思います。
吉本ばななさんは1964年生まれの小説家。
1987年に「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。
この時なんと23歳!
吉本ばななさんは若くして世間の注目を集めることになりました。
その後数々の作品を世に生み出し、世界中で翻訳されて読まれています。
仕事をする中で多くの人とかかわりを持ち、辛酸をなめることもあったと思います。
一方で友人との付き合い、子育て、両親を見とる経験を経て、2021年現在では50代後半を迎えられています。
厚みのある人生経験をされている吉本ばななさんだからこそ、答えられる悩みがあります。
そのエッセンスが、本書にはぎゅっと詰まっているんです。
皆が抱える「悩み」

吉本ばななさんに寄せられた悩みは、誰もが一度は経験したことがあるようなもの、あるいは
これから先の人生で経験するであろう具体的なものばかりです。
その悩みの数は36個にのぼります。
悩みの内容を一部紹介したいと思います。
・入学した高校でうわべの付き合いをして疲れています。本当の友達を作るにはどうしたらいいですか。
(「吉本ばななさんが友達の悩みについてこたえる」(朝日文庫 吉本ばなな)より抜粋)
・元カレと友達関係に移るということはあり得ますか。
・友達が心の病にかかったとき、どんな風にサポートしますか。
・定年退職後に地域デビューをして友人関係を作ろうとしましたが、うまくいきません。
年齢、性別を問わず、生きていくうえで友人に関する悩みはたくさんあります。
吉本ばななさんの著作を読んだことがある方ならば、これらの悩みに関して吉本ばななさんがどのように答えるのか興味がわくかと思います。
ただ、小説の中ではなく、あくまで生きている相手がいるわけですから、決して美しい回答ばかりではありません。
人によっては「厳しい!」と感じるような回答もあります。
ただ、厳しさはやさしさの裏返しです。
相談者のことを真剣に思って、これまで吉本ばななさんが得た心意気を教えてくれます。
読後に感じたこと

私は友達がかなり少ない部類に入ると思います。
中学、高校、大学、前職の職場など、あらゆるコミュニティーに属してきましたが、友達と呼べる人は
各コミュニティーごとに数人しかいません。
全員足しても両手で収まります。
あまり興味がわかない人とは、簡単に関係を解消できるドライな性格をしているためだと思います。
吉本ばななさんも作中で、「気に入らない人とは直ぐに縁を切れ」というスタンスを取っています。
吉本ばななさんの回答には、私自身共感できるところがたくさんありました。
人によってはこれが厳しい、冷めているということになるかと思いますが、この方が断然生きやすいと思います。
友達といっても、所詮は他人です。
つかず離れずで、良い関係性を保ってくれている友達を、これからも大事にしていこうと思いました。
本著が気になる方は、是非一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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